胎児徐脈と出産のこと①

【いつも通りの妊婦健診】

2017年6月1日
今からちょうど一年前のこの日、出産予定日を10日後に控えた私は、顔面にばっちりフルメイクを施し妊婦健診へと向かった。
引きこもり妊婦だった私にとって、病院へ行く事は唯一のお出掛けだったのだ。
たかが検診のためだけに少しおめかしをして、今日のような初夏の陽気の中、臨月の大きいお腹を抱えてヨタヨタと歩いて行った。まさかこの日が、妊婦として外を歩く最後の日になるとは夢にも思わなかった。

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(この頃、人がいない隙を狙って色んな所から腹を出す写真を撮るのにハマっていた。バカである。)



この検診が終わったら、そのまま実家に帰り、産前までの時間をゆっくりと過ごして産後も1ヶ月程は滞在しようと思っていた。いわゆる里帰り出産である。
何が何だかわからないながらも必死で出産準備や赤ちゃんの肌着や沐浴グッズなど必要な物を揃え、とりあえずバッグにぶち込んでおいた。幸い自宅と実家は車で10分の距離だし、検診後荷物を取りに戻り、実家でゆっくり荷ほどきして仕分けしようとぼんやり思っていた。



【胎児の心拍数モニタリング検査】

私は過去に子宮頸がんの円錐切除手術を受けており、切迫早産になる可能性が高かったため、その手術を受けた都内の総合病院の産婦人科にかかっていた。ご存知の方もいると思うが総合病院の待ち時間は半端じゃない。待っている間に精神を病むレベルである。

この日も待合室は妊婦のすし詰め状態。巨大な腹がひしめき合っていた。普段ならエコー検査を受けた後に、胎児の心拍数モニタリング検査を受ける流れだが、この日はあまりの混みように先に心拍数を測定することに。

リクライニングチェアーに座り、リラックスした状態でお腹に測定器を付けて30分ほどじっとしているという超楽勝検査である。

『今日はエコーでキンタマ見えるかな〜診察の待ち時間はあと2時間くらいかな〜』などと考えつつ若干ウトウトしていると、突如けたたましい警告音が鳴り響き、看護師が慌てた様子でバタバタと駆け寄ってきた。

私はその時、急に鳴った音には驚いたものの『機械の故障ですか?』とヘラヘラ呑気に聞いていた。


【胎児徐脈の兆候】

赤ちゃんの心拍リズムが印字されている用紙をじっと見つめたまま微動だにしない看護師さんの様子に不安になり、『えっとー…あの…何が起こったのでしょうか…』とおそるおそる聞くと、『赤ちゃんがちょっと苦しそうなサインが出ました。でも大丈夫ですよ!』とニコッと笑ってくれて一安心。でも《苦しそうなサイン》ってなんぞや?????

そして私は、大勢待っている他の妊婦さん達の順番をすっ飛ばして診療室に呼ばれる。
この辺りでひょっとしてただごとではないのでは…?と感じ始めた。

部屋に入った直後に担当医から言われた言葉は、『これからすぐに入院してもらいます。』だった。